お口年齢(口腔機能年齢)を計ってみませんか

更新日:2021年5月18日

介護が必要な状態の一歩手前の状態を「フレイル」と呼びます。コロナの影響で「フレイル」になる高齢者の増加が懸念されて、最近になって、NHKなどが「コロナフレイル」と呼んで話題にしています。

東京大学高齢社会総合研究機構フレイルサポーターテキストより抜粋

 「フレイル」のなかでお口の些細な衰えを「オーラルフレイル」といいます。例えば、滑舌の低下、食べこぼしやわずかむせ、固いものが食べ難い、口が乾く、さらには、齢だから固いものは避け柔らかいものにしようなどとという考えかた、などがオーラルフレイルです。これを放っておくと、お口の機能がますます低下するだけでなく、心身全体に影響を及ぼして「フレイル」につながります。

「オーラルフレイル」は、フレイルの前段階の「プレフレイル」の症状でもあります。

 2017年に東京大学が高齢者2000人を対象にした調査で、オーラルフレイルの人は、そうでない人に比べ、4年後の全身的なフレイルになったり、要介護状態になるリスクが、ともに2.35倍になると発表しました。オーラルフレイルはちょっと怖くもあります。

 けれども、日常生活にうまく対策を取り入れて、しっかり食べて、はっきりしゃべるお口の機能を維持するように取り組めば、全身のフレイルや介護状態に陥ってしまうリスクを下げるられることが分かっています。

 オーラルフレイルは些細な衰えですから、本人が気づかないことが多くて、周囲の人も見逃しがちです。そこで、知らずのうちに要介護状態に近づいてしまいます。こうなる前に、早期にオーラルフレイルを検知して、適切に対策すれば、介護生活を先送りにして、ひいては健康寿命を延ばすことも可能でしょう。


 オーラルフレイルの検査は「口腔機能検査」といって、最近、健康保険の適用になりました。対象は65歳以上の方で、検査費用の負担金は1000円以内です。決して痛い検査ではありませんし、所要時間は30分程度です。


口腔機能検査では次の7項目を調べます。


 かかりつけのお医者さんで血液検査したり、人間ドックで胃カメラや心電図、胸部X線など様々な検査を受けた時、「〇〇検査が良くない」などと話にするように、口腔機能検査でも「7つの検査で○○と□□が基準値以下です」ということしか説明してもらえないなら、あまり意味がありません。


 大切なのは、検査結果を元に、歯科治療(う蝕,歯周病,入れ歯など)を計画することはもちろん、歳を重ねるにつれて低下するお口の機能に対して、適切な体操やリハビリテーションを日常生活に組みこめるように指導することです。こうして、オーラルフレイルの進行を抑制して、要介護状態を先送りを目指すことです。


 ヘルスメーターの「体年齢」や女性の「肌年齢」、骨粗鬆症の「骨年齢」、そのほか「血管年齢」や「脳年齢」など、実年齢と比較する身体の一部の年齢計算が親しまれています。これに倣って、仲田歯科医院では、口腔機能検査の結果からお口年齢(口腔機能年齢)を算出しています。お口年齢で口腔機能が歳相応かどうかがわかります。厚生労働省は口腔機能検査の診断に年齢を考慮しない一律の基準値を定めていますが、治療・管理目標は年齢により異なるべきと考えて、お口年齢(口腔機能年齢)を重視しています。


 お口年齢(口腔機能年齢)により、一人一人患者さんの目標を明確にすることができるようになりました。例えば、「83歳のあなたは口の年齢は75歳ですからすばらしいです。ただし、舌の力は85歳相当ですから、ちょっと鍛えた方が良いですね」とアドバイスします。このように、お口年齢(口腔機能年齢)は前向きな生活につながります。この機会に、「口腔機能検査」を受けて、自分のお口年齢を知って、フレイル対策を始めましょう。