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長引くコロナ禍の心身の衰え(コロナフレイル)が要介護リスクを高めてます まずは、お口のささいな衰え(オーラルフレイル)を検査して対策しましょう!

更新日:2021年2月25日

  とうとう1年続いてしまった新型コロナウイルスが招いたコロナ禍。不要不急の外出自粛が推奨されて、自宅に閉じこもりがちになっている方もいらっしゃるようです。生活が不活発になって、食事は偏り、人とのつながりも減ってしまう。こんなふうに暮らしていると、身体や認知機能に影響が出るおそれがあります。 


 介護が必要な状態の一歩手前の状態を「フレイル」と呼びます。コロナの影響で「フレイル」になる高齢者の増加が懸念されて、最近になって、NHKなどが「コロナフレイル」と呼んで話題にして、注目され始めました。しかし、実は、コロナ騒ぎが始まった当初の昨年3月には、日本老年医学会が自粛生活でのフレイル予防をよびかけてました。未知のウイルスをめぐって様々な憶測が世間を惑わす中で、専門家団体が警鐘を鳴らしていたわけです。

 「フレイル」のなかでお口の些細な衰えを「オーラルフレイル」といいます。例えば、滑舌の低下、食べこぼしやわずかむせ、固いものが食べ難い、口が乾く、さらには、齢だから固いものは避け柔らかいものにしようなどとという考えかた、などがオーラルフレイルです。これを放っておくと、お口の機能がますます低下するだけでなく、心身全体に影響を及ぼして「フレイル」につながります。「オーラルフレイル」は、フレイルの前段階の「プレフレイル」の症状でもあります。長期化するコロナ禍のなかで、高齢者の中にはフレイルが「オーラルフレイル」として忍び寄っている方がいらっしゃると懸念しております。

 2017年に東京大学が高齢者2000人を対象にした調査で、オーラルフレイルの人は、そうでない人に比べ、4年後の全身的なフレイルになったり、要介護状態になるリスクが、ともに2.35倍になると発表しました。オーラルフレイルはちょっと怖くもあります。けれども、日常生活にうまく対策を取り入れて、しっかり食べて、はっきりしゃべるお口の機能を維持するように取り組めば、全身のフレイルや介護状態に陥ってしまうリスクを下げるられることが分かっています。


 オーラルフレイルは些細な衰えですから、本人が気づかないことが多くて、周囲の人も見逃しがちです。そこで、知らずのうちに要介護状態に近づいてしまいます。こうなる前に、早期にオーラルフレイルを検知して、適切に対策すれば、介護生活を先送りにして、ひいては健康寿命を延ばすことも可能でしょう。


 オーラルフレイルの検査は「口腔機能検査」といって、最近、健康保険の適用になりました。対象は65歳以上の方で、検査費用の負担金は1000円以内です。決して痛い検査ではありませんし、所要時間は30分程度です。検査でお口の機能の衰えがわかれば、適切な対策をアドバイスします。「口腔機能検査」を受けてフレイル対策を始めましょう。

 

さらに、詳しくお知りになりたい方は、当院のブログ「オーラルフレイルを知って、対策して、要介護を先延ばそう!!」をお読みください。



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